北海道教育大学の授業とタイアップした「文化財の保存と活用」をテーマに2024年12月例会を実施しました

北海道教育大学の授業とタイアップした「文化財の保存と活用~こんなにあるんです私の街の文化財 別編~」をテーマにした月例会を、12月11日(水) 北海道教育大学函館校15番教室で実施し、会員6名と学生6名が参加しました。

例会では、函館市役所に1998年4月に入り、市史編さん室や中央図書館などでの勤務を経て、教育委員会生涯学習部文化財課で特別史跡五稜郭跡の保存整備などを担当している主査 奥野進さんに講演していただきました。

奥野さんは、「歴史・歴史的資産は地域の資源」、「地域の歴史をまちづくりにどういかすのか」や「歴史のインフラづくり」をキーワ-ドとして語られた後、

  • 地域資源として多くの文化財を有する函館市の文化財を生かしたまちづくりの現実
    函館市には、国指定・選定19件を含め149件の文化財があるが—
  • 保存と活用【例:五稜郭】-「都市公園の管理」・「史跡の管理」と課題
    都市公園・史跡の管理は、函館市土木部と教育委員会文化財課がそれぞれ所管。史跡の管理として石垣崩落修理・対策などを行っているが課題山積
  • 五稜郭に関する保存活用計画の策定

などについてお話されました。

文化財の保存と活用(例:五稜郭)の概要

  • 市民利用(ウォーキング、花見—)、観光(五稜星の夢、アニメツ-リズム)やイベント(五稜郭祭、野外劇—)で活用されている。
  • 維持・保存に関する意識は、けっして高くない。
  • 都市公園の管理では、桜の延命化や倒木処理などを実施している。
  • 史跡の管理では、石垣の定点調査・補修・修理・雑木/雑草除去など様々な事業を行っているものの、課題が山積している。

五稜郭に関する保存活用計画

五稜郭の経年劣化が進行するなか、価値の見直し・再定義や史跡・都市公園としての活用の両立(桜は土塁・石垣に悪影響をもたらすが観光資源としては高い価値がある—)などを踏まえ明確な目標・方針・基準などを定め早急に整備計画を策定する必要がある。
五稜郭の世界遺産登録を想定するなら、その視点を保存活用計画に反映することも肝要と感じました。
奥野さんは、市民と行政の協力の必要性を訴え、①(市民と行政の)共通の土台とは?②(市民参加が容易な)社会に成熟しているのか?を問いかけて講話を結ばれました。

奥野さんの講演の後、上記の①と②の問いなどについて学生・会員と奥野さんとの間で意見交換を行いました。

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